解読問題
 

旅行手形

解説

この文書は往来手形とも呼ばれ、江戸時代、庶民が商用や巡礼などの目的で旅行をする際、主に檀那寺や村役人により交付された身元保証書です。当時の人々が旅行するときには必ず携帯していました。
往来手形には、その所持者の住所と名前、旅行目的を記し、同行者があれば連名としました。宗旨及び檀那寺名が明記され、旅宿の便宜や万一の際の処置を依頼し、「諸国御関所御役人衆中」などと結ぶのが一般的です。
安政4年(1857)、知多郡姫島村(現東海市)の彦蔵という人物が神社参詣の目的で旅行に出立するにあたり、宗旨は禅宗でキリシタンではないことを示した上で、道中の便宜を依頼し、病死などした場合にはその地での作法にのっとり対応してほしいと記し、後にその旨を当方へ連絡するには及ばない、と書かれています。なお、文中にある「当寺」とは、東海市にある玄猷寺のことで、彦蔵の檀那寺です。
PAGE TOP
メニュー