解読問題
 

尾張藩士の杖と足袋の使用

解説

この文書は、尾張藩第14代藩主徳川慶恕(慶勝)を補佐した田宮如雲の生家である大塚家に伝わったもので、表紙に「摘要記」と記された、尾張藩におけるさまざまな規則や様式等が綴られている冊子のうち、「杖足袋願之究」という項目の一部です。特定の場所における杖と足袋の使用制限について記されています。
安永9年(1780)2月時点で、杖については雨天であっても城内などその使用が認められない場所があったこと、足袋については季節によって使用が制限されていたことなどがわかります。ただし、年配者や病人、けが人への一定の配慮があったことも窺えます。文書の後半部分では、役向きによる杖・足袋の使用申請手続先が書かれています。
ちなみに、足袋はもともと革で作られ、黒、黄、紫など色彩にも富み、公儀においても用いられていましたが、天和期(1681~1684)頃より木綿の足袋が主流になりました。
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