解読問題
 

尾張藩士の湯治願

解説

この文書は、尾張藩士大塚三右衛門家の文書「摘要記」の内容の一部で、尾張藩士の湯治願に関するものです。
江戸時代の武士は健康を損ねると役職を務めることができず、家禄の減少、家格の低下、果ては家の廃絶に至る可能性もあり、現代の私たちが想像する以上に健康第一主義であったと言われています。このため、医療水準が低い当時にあって、養生に効果があるとされた湯治は、藩士の健康を守る治療目的の旅として許可されていました。
元禄10年(1697)には有馬温泉の湯治は認められていませんが、宝暦12年(1762)にはしかるべき上役に願いを出して審査の上認められれば、遠隔地にある温泉にも湯治に行くことが可能となっています。
また伊勢神宮への参拝も許可対象となっており、藩士の生活の一端がかい間見える興味深い記事となっています。
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