展示テーマ

令和元年度企画展 写真で見るあいちの地震・台風―伊勢湾台風60年―

令和元年度の企画展は、愛知県で発生した「災害」をテーマに開催しました。
明治24年の濃尾地震をはじめ、昭和19、20年に発生した東南海、三河地震、昭和28年の第13号台風や昭和34年の伊勢湾台風など、愛知県に爪痕を残した過去の災害の被害状況について、写真資料や公文書などを展示しました。
このデジタル展示室では、展示した写真を中心に、資料を紹介します。過去の災害を振り返り、防災への意識を高めていただくきっかけとなれば幸いです。

濃尾地震解説
明治24年10月28日、揖斐郡根尾谷(現岐阜県本巣市)を震源とする、推定マグニチュード8.0の地震が発生しました。被害は東海、北陸、関西地方に及び、県内の犠牲者は2,300人を超えました。
東南海地震、三河地震解説
東南海地震は、昭和19年12月7日に発生した、紀伊半島の沖合を震源とするマグニチュード7.9の地震です。県内で438人が犠牲になりました。
三河地震は、昭和20年1月13日に発生した、愛知県の三河地方を震源とするマグニチュード6.8の地震です。県内で2,306人が犠牲になりました。
昭和28年第13号台風解説
昭和28年9月25日に本県を襲った台風第13号は、伊勢湾から知多半島に上陸し、岡崎市付近を通り、長野県へ抜けていきました。県内の死者・行方不明者は75人で、そのうち約半数は幡豆郡(現西尾市、岡崎市の一部)での被害でした。
伊勢湾台風解説
昭和34年9月26日に本県に最接近した超大型の台風第15号(同30日に「伊勢湾台風」と命名)は、紀伊半島に上陸し、本県の西方を通過していきました。県内の死者・行方不明者は、3,260人でした。 名古屋市南部をはじめ、海部郡や知多郡などの沿岸部は、高潮による堤防決壊や浸水等の被害を受けました。

1 濃尾地震の被害

この資料には、圧死による被害の様子が多く記されており、中には寺院で朝説教を聞いている途中に地震が発生し、堂内で圧死した人がいたようです。命拾いをした人でも、衣食住を失い、家とともに焼かれたらよかったと恨み言をつぶやくなど、当時の悲惨な状況が記されています。

W22-304 愛知岐阜大地震の惨状

2 岩倉村の様子

この資料には、丹羽郡岩倉村(現岩倉市)が、地震により村の約75%の住家が全壊し、37名の犠牲者が出るなど、「郡中第一の惨状」であったと記載されています。
学校も全壊したので、神社境内の林に破れた幕を張り、破損を免れた机を並べて仮の教室として授業を再開したとあります。

E7-3 震災関係書類(丹羽郡役所)

3 名古屋郵便電信局の様子

名古屋郵便電信局はレンガ造りでした。
2階部分が崩れ、機械も破損・埋没しました。

L5-019 明治24年濃尾大震災写真 第1号 名古屋郵便電信局破壊ノ真景

4 熱田町尾張紡績場器械所の様子

愛知郡熱田町(現名古屋市熱田区)にあった尾張紡績会社の社屋が大きく崩れている様子です。
社内では、機械の稼働による振動で激震に気付かず、逃げ遅れた35人が犠牲になりました。

L5-020 明治24年濃尾大震災写真 第2号 熱田町尾張紡績場器械所破壊ノ図

5 名古屋城の被害の様子

写真左手の白壁が剥がれ落ちており、地震の揺れの激しさをうかがい知ることができます。

L5-039 明治24年濃尾大震災写真 第21号 名古屋城罹災実景ノ図

6 西春日井郡役所門前道路の様子

当時、西春日井郡枇杷島町大字下小田井(現清須市)にあった西春日井郡役所の被害の様子です。
写真にあるように、地震により庁舎の屋根瓦が大きく剥がれ落ち、道路は45㎝ほどの幅に裂けて通行が危険な状態となりました。

L5-037 明治24年濃尾大震災写真 第19号 西春日井郡役所門前道路破壊ノ図

7 葉栗郡北方村の様子

葉栗郡北方村(現一宮市)の道路が地震により地割れを起こしている様子です。

L5-036 明治24年濃尾大震災写真 第18号 葉栗郡北方村震災及道路破壊ノ図

1-1 東南海地震の被害状況

この資料は、愛知県が作成した被害報告書で、12月9日時点の東南海地震の被害状況が記されています。作成当時は極秘扱いにされていました。
半田市や西尾市の住家に被害が多くみられます。
備考欄には工場や電車の被害も記録されています。

W10-1 震災空襲ニ因ル被害状況調 極秘

1-2 三河地震の被害状況

資料には、三河地震発生日時などが記されています(1-1と同資料)。
この資料には、地震だけでなく同時期に受けた空襲についての記載も数多くあります。

W10-1 震災空襲ニ因ル被害状況調 極秘

2-1 東南海地震の被害写真

現在の田原市田原町柳町付近の様子です。

P4 地震被害写真

2-2 東南海地震の被害写真

同じく現在の田原市田原町柳町付近の様子です。

P4 地震被害写真

1 愛知県台風特報(広報あいち)

台風第13号について特集された昭和28年9月26日発行の広報あいちです。
災害救助法が発令された市町村や、台風接近に伴う本県の風雨の様子、当時の桑原知事の言葉などが掲載されています。

W10-86 広報あいち 特報第一号(台風十三号の記事)

2 災害義捐金品の募集

被害を受けた市町村を救うため、被災地を除く愛知県全域に義捐金品の募集をした資料です。義捐金のほかに衣類や食器類、缶詰といった腐敗しない食品や、ノート、鉛筆を始めとした学童の文房具を募集しました。

W10-91 愛知県災害義捐金品募集要領 水害地へ温かい救援の手を

3 第13号台風の被害写真

宝飯郡三谷町(現蒲郡市)の道路を木材が埋め尽くし、遠くには漁船が打ち上げられています。

A27588 13号台風災害記録[モノクロ写真]

4-1 第13号台風の被害写真

崩落した星越海岸(宝飯郡大塚村(現蒲郡市))の海岸道路の様子です。

W10-32 台風十三号による被災現地写真帖

4-2 第13号台風の被害写真

倒壊した宝飯郡形原町(現蒲郡市)の家屋の様子です。

W10-32 台風十三号による被災現地写真帖

4-3 第13号台風の被害写真

宝飯郡塩津村(現蒲郡市)の橋脚のみを残して流された橋の様子です。

W10-32 台風十三号による被災現地写真帖

4-4 第13号台風の被害写真

浸水した宝飯郡小坂井町伊奈地区(現豊川市)の様子です。

W10-32 台風十三号による被災現地写真帖

1 支援活動

この資料には、海部郡へ派遣された生活改良普及員の活動内容が記されています。
生活改良普及員は、防寒具の作り方や救援物資から効率的に栄養を摂取する調理法、水に浸かった家屋の手入れなど食生活や衛生面等について被害を受けた人々に助言をして健康を保てるよう支援を行いました。

A28164 伊勢湾台風雑件綴

2 応急仮設住宅の図面

この図面のように、応急仮設住宅は2戸建て10坪で建てられました。
2戸建てとは、長屋のように同じ一棟に2戸が隣り合う建て方を指します。

A12680 伊勢湾台風 応急仮設住宅建築委託契約書綴(1)

3 伊勢湾台風の被害写真

名古屋市港区船見町の住宅街に流入した木材の様子です。

P2 伊勢湾台風アルバム昭和三十四年九月二十六日

4-1 伊勢湾台風の被害写真

台風が接近中の碧南市の海岸の様子です。(9月26日午後5時撮影)

P211 伊勢湾台風関係写真アルバム

4-2 伊勢湾台風の被害写真

県庁前の並木が倒れています。(9月27日午前7時撮影)

P211 伊勢湾台風関係写真アルバム

5-1 伊勢湾台風の被害写真

近鉄佐古木駅付近(現弥富市)の浸水の様子です。(10月6日撮影)

A20213 伊勢湾台風災害写真集 2

5-2 伊勢湾台風の被害写真

海部郡飛島村新政成付近の浸水の様子です。(11月12日撮影)

A20213 伊勢湾台風災害写真集 2

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