基本情報
資料名 | 【29】天保15年5月 木綿直売禁止につき尾張藩より触書 |
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資料群名 | 名古屋市吉田家文書(B010034-001) |
請求番号/資料名 | 15-00015/御用御触留 八番 |
詳細情報 |
御用御触留 八番 |
解説
この史料は、天保15(1844)年5月に尾張藩勘定方より出された木綿取引についての触書の写しです。江戸積(*1)のほか京都などとの取引において取締りが緩んできているので、製造元や商人からの直売を禁じ、すべて近国売りの世話方に集荷するよう求めています。
また、近国との取引では、米切手の売り渡しや、現金の代わりに品物で取引をすることを禁じています。米切手とは、蔵屋敷(*2)が発行していた米の保管証明書でしたが、当時、現物取引の代わりとして為替のように使われていたり、転売されたりしていました。そこで、藩はこれを防ぐために、米切手の保護や訴訟に関する触を出して取り締まったのです。なお、藩庫には正金(金銀貨幣)が乏しかったため、正貨の取引の際には御用会所に正金を差し出すよう指示しています。
*1…上方から江戸に向けての荷物の移送。
*2…諸大名などが年貢米その他を売り捌くために、大坂・江戸・京都など商業が盛んで金融にも便利な土地に設けた屋敷。
※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。