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【7】弘化2年12月 津島小滝杢右衛門より名古屋蛯屋町中井嘉八郎宛て金子借用証文

【7】弘化2年12月 津島小滝杢右衛門より名古屋蛯屋町中井嘉八郎宛て金子借用証文

基本情報

資料名 【7】弘化2年12月 津島小滝杢右衛門より名古屋蛯屋町中井嘉八郎宛て金子借用証文
資料群名 愛知県立大学蔵熱田新田文書(B910002-001)
請求番号/資料名 00-00031-02/借用申金子之事
詳細情報 借用申金子之事

解説

 この史料は、弘化2年(1845)12月に津島村(現津島市)在住の小滝杢右衛門から名古屋蛯屋町(現名古屋市西区)の中井嘉八郎に出された金子借用証文です。尾張と伊勢を結ぶ商業都市として栄えた津島と、城下町名古屋との間には経済的に大きなつながりがあったとみられます。この史料には元金(米札と呼ばれる藩札25両)と利息を来年5月までにまとめて全額返済すると書かれています。金子借用証文には借主、貸主、金額、条件等が書かれるのが一般的ですが、請人(連帯保証人または連帯責任者)と利息の記載が見当たりません。請人の記載がないのは、両者の間に大きな信用があったからと推定されます。また、当時、銀はその含有量による品位や重さによって価値を決める「秤量貨幣」とされていました。利息を記述する箇所が空欄であるのは、返済に充てる銀の価値によって利息が日々変動していたためと思われます。
 なお、中井嘉八郎は信濃屋嘉八(嘉八郎)・関戸嘉八と表記されることもあり、信濃屋関戸家の人物であると思われます。信濃屋関戸家については【6】をご覧ください。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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