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【42】明治2年2月 金札通用相場につき明治新政府より府藩県宛触書

基本情報

資料名 【42】明治2年2月 金札通用相場につき明治新政府より府藩県宛触書
資料群名 名古屋市吉田家文書(B010034-001)
請求番号/資料名 15-00031/御用御触留 弐拾四番
詳細情報 御用御触留 弐拾四番

解説

 この史料は明治2(1869)年2月に明治新政府が財源を補うために府・藩・県に通達した貨幣制度に関する触書の写しです。江戸時代には主に幕府の鋳造した銭=銅貨が流通するほか、東日本では金貨が、西日本では銀貨が主に流通していましたが、全国的な貨幣の統一には至りませんでした。新政府は、財政難と統一貨幣制度確立の前提として、太政官札・民部省札などの不換紙幣(*1)を発行しました。
 この史料からは、新政府の貨幣制度改革の目論見と、当時の混乱ぶりも垣間見えます。「金札」(太政官札・民部省札など)は「正金」(金銀貨幣)と同じように使用できること、日本国内や海外との取引でも通用すること、貨幣制度に関する法令を破ると罰則があることなどについて前半部分で説明があり、後半部分では物価の混乱が起きていることを踏まえ、金札通用時には国内の相場を見て決めるとし、ここでは正金100両につき金札120両とすることが指示されています。なお、史料中に「東京」という表現があり、江戸から東京への名称変更が慶応4(1868)年7月であることから、ここでの2月は明治2年であると比定できます。

*1…発行者が金貨や銀貨といった本位貨幣との引き替えの義務を負わず、政府の信用で流通する紙幣。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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