愛知の歴史資料

県史収集資料室

一覧に戻る

【37】慶応4年閏4月 貨幣定価通用につき太政官布告

基本情報

資料名 【37】慶応4年閏4月 貨幣定価通用につき太政官布告
資料群名 名古屋市吉田家文書(B010034-001)
請求番号/資料名 15-00031/御用御触留 弐拾四番
詳細情報 御用御触留 弐拾四番

解説

 この史料は慶応4(1868年)年閏4月に太政官(*1)より尾張藩を通じて領内に出された、貨幣通用にかかわる通達(布告)の写しです。名古屋の吉田家が居住する町内には同年6月2日に布告が届いたことが、史料の記述から確認できます。慶応3から4年は、大政奉還をはさんで、政治体制と支配秩序が大きく変化した時期です。慶応4年正月から戊辰戦争が始まり、政治の実権は旧幕府から新政府側に移っていきました。
 布告の内容は、金銀等の貨幣の定価とその流通についてであり、新政府としても貨幣定価に批判があることは心得ているが、この布告通りに金銀等を使うよう命令したものとなっています。この時期の日本は長年の鎖国体制が終わり、西洋諸国と貿易が行われるようになっていました。そのため、海外からの銀(洋銀)が流入しており、そのような銀も規定通り使うよう指示が出ています。

*1…明治前期の政府の最高行政機構。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

PAGE TOP
メニュー