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【33】天保15年11月 米切手正金引き替え時の添銀相場につき尾張藩より触書

基本情報

資料名 【33】天保15年11月 米切手正金引き替え時の添銀相場につき尾張藩より触書
資料群名 名古屋市吉田家文書(B010034-001)
請求番号/資料名 15-00015/御用御触留 八番
詳細情報 御用御触留 八番

解説

 この史料は天保15年(1844)11月に、尾張藩が発行した米切手(*1)を正金(金銀貨幣)に引替える際の添銀(*2)の相場について指示を出した触書の写しです。
 藩の正金融通方は、従来米切手の正金引き替え時の添銀を1両当り9匁9分にしていましたが、それでは米切手が流通しなかったため添銀相場を相対(当事者同士)の自由取引にしていたところ、添銀相場は年々高騰してしまいました。これでは米切手で諸物品を仕入れることも困難となったので、現在、金1両に付き添銀52匁のところを、43匁で現行米切手の半分は交換し、残り半分は切手に増印(切手の引受人の押印を増やし信用を高め、添銀を低く抑える)する形で差し戻すという対応がなされたことがわかります。そして、引き替えた米切手を裁断処分することで、徐々に米切手の数を減らしていくという処置がとられました。なお、銭切手については、これまで通りの取引が行なわれています。

*1…蔵屋敷における払米の保管証明書。
*2…米切手や藩札の流通過程における信用の不足分を補うための割増銀。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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