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県史収集資料室

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【32】天保15年10月 廻船問屋などの商い方につき尾張藩勘定方より触書

基本情報

資料名 【32】天保15年10月 廻船問屋などの商い方につき尾張藩勘定方より触書
資料群名 名古屋市吉田家文書(B010034-001)
請求番号/資料名 15-00015/御用御触留 八番
詳細情報 御用御触留 八番

解説

 この史料は、天保15(1844)年10月に、尾張藩勘定方より町在の廻船問屋などの商人に対して出された触書の写しです。史料には、廻船問屋による積荷の引取や売買の規則、船舶にかかわる税の徴収、相場の決定についての規則が書かれています。また、江戸、京・大坂やその他諸国へ運ぶ荷物は、その送り状に国産会所で印を添えるように要求しているので、流通規制が行われていることが見て取れます。
 史料中に記載がある「国産会所」とは、領内の特産物を増産し領外販売を行うために設置された機関のことです。尾張藩は天保13年(1842)に、藩の財政難により幕府から藩政停滞について警告され、同年藩内の株仲間を解散させて国産会所を設置しました。尾張藩は、木綿や瀬戸物、美濃物といった陶磁器などの諸品を独占的に扱う専売を行い、そこから得られる商業利潤で困窮した藩財政の立て直しを図ろうとしました。
 近世後期の尾張藩財政と商品流通政策のありようを知らしめてくれる貴重な史料です。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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