資料編10 中世3
1 織田・松平氏の黎明期における史料を収録
文明2年から桶狭間の戦いまでの約90年間における尾張・三河の史料を、編年体でまとめました。文書・記録等だけでなく、石造遺物や棟札をはじめとする金石文史料も、幅広く採録しています。
2 今川氏の三河支配の実態を示す史料を豊富に収録
今川義元は、天文末年までには三河をほぼ全域にわたって支配し、尾張東部にも深く侵攻していました。本巻収録の文書史料の約1割が今川氏に関係するものであることからも、義元の尾張・三河における影響力の強さを見ることが出来ます。
3 草創期の松平氏について丹念に史料収集
前巻に引き続き、近世以降の「家康伝説」に染まる以前の草創期の松平氏の動きを、地元だけでなく他の地域における活動にも注目して採録しました。
4 桶狭間の戦い直前の織田氏の動き
桶狭間の戦いで世に広く知られる以前の織田氏一族の動きについても、広範囲に史料を収集しました。特に、京都における室町幕府要人との密接な関係を示す史料から、全国制覇に向けて力を蓄えていった織田氏の動きを読み取ることができます。
5 地元寺社に残る貴重な史料の発掘・採録
仏教各派の動きに加え、真宗の教線拡大の動きを、文書・記録史料だけでなく「真宗関係画像等裏書一覧」などから集約的に示しました。また宝生院(大須観音)の真福寺文庫調査から得られた「庭儀灌頂図」などの成果も収めています。