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【63】慶応2年10月 吉浄山(吉祥山)猪狩につき旗本菅沼家役人浅井健蔵より知行所村々宛て廻状

基本情報

資料名 【63】慶応2年10月 吉浄山(吉祥山)猪狩につき旗本菅沼家役人浅井健蔵より知行所村々宛て廻状
資料群名 新城市榊原淳一郎氏収集資料(B730008-001)
請求番号/資料名 03-00087(61)/ (触書)
詳細情報 (触書)

解説

 この史料は、慶応2(1866)年10月16日に交代寄合旗本の新城菅沼家役人の浅井健蔵より下平井村から川田村(ともに現新城市)までの知行所村々に出された猪狩に関する差紙(決められた日時に出頭を求める命令書)の廻状の写しです。差出日の翌日17日に「日浄山」(吉祥山のことか)にて猪狩が行われる旨が示され、参加者は「暁六ツ時(午前6時頃)」に石田村(現新城市)川原へ集合するよう指示されています。そして、この指示を鉄砲打ちの人たちへ伝達するように申し付けています。
 この猪狩では「農業時節柄ニ付」望む者だけの参加を命じていますが、これは農民にとって年貢を納めることが最重要かつ最優先で、そのために農作業の妨げとならないよう配慮したものと思われます。年貢納入に関して領主からの干渉は珍しくなく、この史料も確実に年貢が納められるよう、農作業に支障のない範囲で猪狩に参加するようにという意味合いが込められていると思われます。なお、同年9月5日にも同様の廻状(【61】)が出ています。
 なお、交代寄合については【43】をご覧ください。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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