愛知の歴史資料

県史収集資料室

一覧に戻る

【56】文久3年10月 田方検見につき旗本菅沼家役所より知行所村々庄屋宛て廻状

基本情報

資料名 【56】文久3年10月 田方検見につき旗本菅沼家役所より知行所村々庄屋宛て廻状
資料群名 新城市榊原淳一郎氏収集資料(B730008-001)
請求番号/資料名 03-00086(55)/ (触書)
詳細情報 (触書)

解説

 この史料は、文久3(1863)年10月15日にこの地域の領主である交代寄合旗本の新城菅沼家役所より、石田村から下平井村(ともに現新城市)までの知行所村々へ出された廻状の写しです。触書とは幕府や藩主から支配地に通達される文書で、廻状と呼ばれる形式で通達されることが多くありました。廻状は回覧板のように複数の村々で共有した後、発給した役所へ返却する仕組みでした。そのため、触書を各村で保存する際には、このように筆写する必要がありました。
 史料では、役所から村々へ、翌日16日に派遣される検見の役人を迎える人足の手配が命じられています。検見役人の巡村ごとにその村で役人を迎えることになっており、村ごとに人足8人の差出と村役人1人の差添えが要求されています。これはかなりの負担だったと思われます。
 なお、文末には「同日夜五ツ時(午後8時頃)山村より受取、即刻東杉山へ順達ス」と記されており、触書本文の控えだけでなく、触書をいつ受け渡したのか後から確認が取れるように記しています。
 なお、交代寄合については【43】をご覧ください。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

PAGE TOP
メニュー