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【52】文久3年2月  将軍上洛に伴う鳴物停止つき旗本菅沼家役所より知行所村々宛て触書

基本情報

資料名 【52】文久3年2月  将軍上洛に伴う鳴物停止つき旗本菅沼家役所より知行所村々宛て触書
資料群名 新城市榊原淳一郎氏収集資料(B730008-001)
請求番号/資料名 03-00086(11)/ (触書)
詳細情報 (触書)

解説

 この史料は、文久3 (1863)年2月28日に、交代寄合旗本の新城菅沼家役所より、知行所の下平井村(現新城市)から三蔵子村(さんぞうごむら/現豊川市)までの村々に廻された触書の写しです。末尾の記載より、山村(現新城市)からこの廻状を受け取った西杉山村(現新城市)が書き留めて直ちに東杉山村(現新城市)に順達したことがわかります。行政的な指示はこのように文書できちんと伝達されました。
 この史料には、「御上洛」(14代将軍徳川家茂(とくがわいえもち)の上京)に伴い、同月23日より、村人には自村以外の地域への移動を禁止すること(他行差留)、歌舞音曲などの演奏(「鳴物」)を自粛すること、火の元に用心すること、村役人には昼夜を問わない見回りを命じていたことが書かれています。そして、上洛の一行が無事通ったので、29日からは平生通りに戻ってよいとしています。この上洛は、幕末期の政治状況の中で朝廷が将軍に攘夷を求め、家茂がその呼出しに応じたものです。貴人の通行や弔事の際には、こうした鳴物停止令が出されました。
 なお、交代寄合については【43】をご覧ください。

※この解説文は、愛知県立大学の学生が博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。

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