基本情報
資料名 | 【49】天保14年9月 囲籾買い上げにつき旗本菅沼家役所より東杉山村宛て達し |
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資料群名 | 新城市榊原淳一郎氏収集資料(B730008-001) |
請求番号/資料名 | 03-00060(74)/ (触書) |
詳細情報 |
(触書) |
解説
この史料は、天保14(1843)年9月16日に、囲籾(かこいもみ)にかかわって交代寄合旗本の新城菅沼家役所から東杉山村(現新城市)へ出された達しの写しです。今年も囲籾を買い上げるので、籾を「上皮付」で1俵分詰め込み、役所へ差し出すようにとの指示が書かれています。当時、幕府は「囲米」「囲籾」と呼ばれる飢饉に備えた米や籾の備蓄を行っていました。籾とは、脱穀していない米のことをいいます。「囲米」「囲籾」のように飢饉に備えて長期にわたり備蓄するには、殻の付いている籾の状態の方が保存に向いているといえます。また、米俵はその構造上、運搬や蔵などに保管する際、藁の隙間から米粒がこぼれ落ちてしまうという性質があります。そのため、この史料に書かれている「上皮付」、まさに籾の状態にしておくことが米粒の漏れ防止につながったと想定できます。なお、囲籾の買上げは古くなった籾の売却益により行われたと考えられ、相場よりはかなり安かったと想定されます。
なお、交代寄合については【43】をご覧ください。
※この解説文は、愛知県立大学における博物館学の講義の際に作成した解説文を基に作成しています。